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特許が「質」と定義される意味とは?

Posted on Jan 28, 2015 in Articles

クライアントに業務を取り扱う弁護士に何を期待するか尋ねてみてください。その答えは、業務に「質」が伴うことでしょう。誰でも、法律サービスを購入すると、代わりに質を手に入れると考えます。しかし、特許の分野において、特許が質を持つ意味とは何ですか?

米国特許商標庁の説明によると、特許性の法定要件を満たすと、高い質の特許であると考えられます。しかしながら、それは、物語の一部にすぎません。なぜなら、法定要件を満たす以外に、特許は、潜在的な侵害者に対して主張する請求項を含めて作成する必要があります。これは、簡単に達成できる目標ではないでしょう。しかし、これは、特許権保護を獲得する際、求められる目標です。

法定要件を満たす

多くの人にとって驚くことかもしれませんが、全ての特許が特許性の法定要件を満たすわけではありません。どうしてこれが可能なのでしょうか?なぜなら、特許を付与する過程というのは、完璧というには程遠いからです。結果として、特許に対する訴訟の際、特許の有効性は通常疑問視され、さらに、裁判所が特許性の法定要件を満たしていなかったと証明する場合、特許は無効で、法的強制力がないものと判断されます。

特許性の法定要件の一つは、発明が新しい、もしくは「今までにない」(つまり、前に他の人物によって発表されていない)必要があるということです。他の法定要件は、発明が「明白」な(つまり、他の人物の発表に基づく)ことであってはならないということです.特許局審査官は、「検索実行」と呼ばれる過程で、データベースならびに出版物(交付済特許、発表済特許申請および学術論文等)を審査し、これらの法定要件を満たしているかどうかを決定します。彼らの目標は、審査中の特許申請に明記の発明を他の人物が既に発表したという証拠を探し出すことです。審査で、申請者が特許取得しようとしている内容に類似の出版物が見つからない場合、審査官は、発明が今までにない新しい発明で、明白ではないという結論を出します。

資料を調べ、発明が「前に実行された」かという証明を探すことは困難な作業になることもあります。外国で、もしくは、外国語で発表されたり、出版物の配布が制限されていたりして、探すのが困難な証拠もあります。データベース検索中に使用されるキーワードの選択により、重要な資料を見落とすこともあります。また、審査官が発明をよく理解しておらず、結果として、適切な審査を実行できないこともあります。

また、審査官は時間の制圧があり、通常、審査の必要がある特許申請にかなりの遅れがあります。結果として、審査官が審査を実行するのにかけられる時間には限界があります。

したがって、特許の質は、審査が十分に実行されたかに(部分的に)左右されます。あらゆる特許は、フィールド適用に審査を実行しますが、審査がより広範囲で、正確であれば、特許はより高い質になります。審査が良ければ良いほど、特許の質も高くなります。

特許申請の際、特許申請者(および弁護士)は、審査官が十分に審査を実行できるよう手伝う対策を講じます。発明を理解しやすい方法で特許申請に記入すると、審査官が、申請を合格させるために、審査を実行する方法、決定に関連する出版物に関してより良く理解することに繋がります。また、特許申請者は、特許付与の決定の「資料」となると考える証拠(出版物を含む)を審査官に提出できます; 実際、申請者は、特許性の資料となると考える参考資料を公開する必要があります。審査官が考慮する参考資料を基に、特許が有効であると推測される場合、審査官にその参考資料を提供することで、特許をより強力にします。

米国特許商標庁は、特許に特許性のある内容を求められているか、特許請求項は明白か等、他の法定要件を満たすかどうかを確認します。

多くの評論家は、米国特許商標庁が特許申請を審査する際、より効率的な作業を行う必要があると述べています。彼らは、審査の質の向上が特許の質の向上に繋がると論じています。ある程度、彼らの意見は正しいと言えます。確かに、特許の質を評価する一つの方法は、特許が特許性の法定要件を満たす範囲に基づいています。そして、確かに、審査が良くなれば良くなるほど、特許性の法定要件を満たした可能性が高くなります。しかしながら、それは物語の一部にすぎません。

請求項の作成

特許と高い質の特許の違いは、特許の最後の請求項を作成する弁護士の能力にあります。請求項は、特許によって保護される発明を非常に正確に説明します。しかしながら、請求項の作成方法は、特許が主張されるか、どのように主張されるかを完全に支配します。主張言語を用い、発明が実際何であるかを明確に述べる能力は、かなりの経験や複数の視点から発明を理解することが必要です。求める特許権の主張を最大限に利用する視点を確認し、請求項にこれらの視点を取り込むことが重要です。特許には、発明を説明する請求項を含みます。高い質の特許には、(可能性のある侵害訴訟における)請求項の主張を見越して、発明を説明する請求項を含みます。実社会の例でこの概念を説明すると便利かもしれません。

1999年、Amazonは、ワンクリック・チェックアウト機能で特許を付与されました。ワンクリック機能により、Amazonのウェブサイト利用者は、その名の通り、ワンクリックで購入完了できます。配送および支払オプションは、Amazonのウェブサイトを使用して事前に入力されるため、購入者は、商品の横のワンクリックボタンを押すだけで、他に何もせずに、製品の支払が完了し、配送されます。

経験豊富な弁護士は、ワンクリック機能を様々な視点から見つめ、通常、ワンクリック機能をそれらの視点から保護する特許請求項を記入します。実際、Amazonワンクリック特許は、特許に質を与えるため、注意深く考えられた複数の視点からAmazonワンクリック機能を保護します。

例えば、ワンクリック機能は一つの方法(つまり、ワンクリック購入を達成するため、ある一定のステップを実行すること)として考えられます。あるいは、ワンクリック機能は、一つの装置(つまり、ワンクリック機能を搭載するコンピュータ)として考えられます。他の例として、ワンクリック機能は注文する顧客の視点から説明することもできます(つまり、クリック一回だけで、顧客は製品を購入する)。あるいは、ワンクリック機能はAmazonの視点から説明することもできます(つまり、Amazonは、ワンクリックの指示を受信後に製品を売る)。請求項の作成で使用された視点の豊富さにより、Amazon特許は高い質を持ちます。複数の視点の請求項は、特許の主張の機会を強調し、特許に質を与えます。

特許の質が重要である一方で、特許の質は特許の価値と混同してはなりません。特許の価値は、特許に相当する金額、もしくは特許がどの程度まで収益化するか(できるか)に基づいており、特許の質はその価値に影響しますが、質はその価値とは無関係です。もし、明日、発明家がVHSビデオまたは8トラックテープに関する技術の特許を付与するよう、米国特許商標庁を説得しても、その製品の対象となる市場がないため、特許に価値はないでしょう。特許の価値は、(特許のおかげで)排他的製品または過程の販売、もしくは製品、過程による利益、特許権の販売または許諾、特許所有事業価値の増加、特許侵害訴訟における損害賠償等の結果として、その金銭的価値まで下がります。特許は、絶対的に特許性の法定要件を満たし、素晴らしい請求項を含むことができますが、利益を生み出すことが出来ない場合、価値はありません。

美の基準は見る人によって異なり、質も同様です。市場が存在しない場合、質は発明の収入源には繋がりません。しかしながら、根本的な考えに価値があれば、特許の質の向上は、許諾優先や施行の促進を含む、多くの利益の結果を生みます。特許に質を与えるものを理解すると、これらの利益の獲得方法を理解することに繋がります。

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